マスタリング奮闘記

2022年10月10日

蒲田へ

10月8日、土曜日。
翌日朝から撮影とマスタリングがあるため、今日は東京への移動日。午前中に出発し、事故や渋滞もなく、15時過ぎには宿のある蒲田の街に到着。
京急蒲田~JR蒲田、東急蒲田の駅の周りに、これでもかと飲食店がひしめき合っている。
昼飯食べよ~、とぷらぷらしていたら、良さそうな中華を発見。春香園さん。
豆苗炒め、焼き餃子、五目チャーハン、ニンニクの芽炒め、エビチリなど、みんなでつついて大変美味しかった。


蒲田 春香園

騒音寺とカーネーション

そして新宿レッドクロスへ、騒音寺とカーネーションのツーマンライブに向かう。折角前日に東京に着くのだから、何か面白いことないかと事前にあちこちのライブハウスのスケジュールをチェックしていたのです。
自分の人生に多大なる影響を与え、かつ、現役でバリバリにやっている稀有な存在、騒音寺とカーネーション。しかもこの組み合わせのツーマンは滅多にない。
まだ開場時刻には早いので、ディスクユニオンへ。380円~580円で、ニックロウ、チーチ&チョン、飯島真理など5枚をGET。やはり知らぬ土地のレコ屋は楽しい。
開演時間めがけてレッドクロスに到着すると、騒音寺がガッツリ演奏開始していた。まさか…、開場・開演時刻を30分間違えていた。
騒音寺の冒頭数曲を見逃してしまったが、10代の自分を京都に誘った京都産のロックンロールを、20年以上経った今夜もガンガンやってて最高だった。
つづいてカーネーション。このツーマンを意識してなのか、めちゃくちゃロックに振り切ったセットリストだった。ギターに松江さん(SGだ~)の入った珍しい4人編成で、自分がカーネーションから感じ取る「ワルい」「黒い」感じがプンプンに出ていて、本当にカッコよかった。今夜のセトリでライブ盤を聴きたいくらい。
終演後、なべさんや直枝さんと話すことができて嬉しかった。写真まで撮ってくださった。ありがとうございます。


直枝さん、なべさん。やばい

蒲田に戻り、すでに飲み始めていた山さん含む撮影班と合流し乾杯。明日も朝からシャキっとせねばならんので、深酒はせずに宿へ帰る。

台風クラブと■■■■■■!

10月9日、日曜日。
11時。この日は午前中からとあるジャケット用の写真撮影。そう、ついに、ようやく、やっと、満を持して、■■■■■■と台風クラブの■■■■■の■■■■を作っているのです。
最初にお願いしたのは2019年11月30日、深夜の下北沢、対バン後の打ち上げ会場にて。自分は酒を一滴も飲まず、「一緒に■■■■■の■■■■を作ってくれませんか」と、マジの気持ちを伝えたところ、「オッケー」の返事をいただいたのです。
その直後からのコロナ禍や、それぞれの環境の変化など、いろいろ難所はあったけど、一度も約束を忘れちゃいなかった。3年越しでここまで辿り着いた。
ジャケ写を撮るにあたって、東京の■■■■■■と京都の台風クラブが奇跡的に全員揃うとしたら、立ち合いマスタリングのタイミングしかない、ということで、マスタリング開始前の少しの時間で、スタジオの近くでバシっと決めてしまわなければならない。
自分には全く土地勘のない場所なので、地図を見てピンときた、「多摩川土手」と「等々力渓谷」に賭けた。
結果は上々!きっと良いジャケにします。


夢は叶う(こともある)

15時。撮影も無事終わり、■■■■■の立ち合いマスタリングへ。台風クラブ全員、■■■■■■全員の計7人でギュウギュウのスタジオに、酒つまみを持ち込んでのマスタリングというアットホームな雰囲気。
■■■■■■は全員がワイワイ飲みながらも、ここって所でちゃんと音を聴いて注文しているのがめちゃくちゃカッコよかった。自分はあまちゃんなのでシラフで臨んだ。
両面とも、サクサクとすすみ、■■■■■のマスタリングは完了。ここで■■■■■■のみなさんとはお別れ。雨の中二子玉川まで送っていき、バイバイした。

アルバムのマスタリング、開始

18時。小休止を挟み、つづいては台風クラブのセカンドアルバムのマスタリングへ。今日中に半分、5曲目まで行けたらいいねと作業開始。
ひきつづき、マスタリングのエンジニアは風間さん。ここ数年の私家盤7インチシングルや、その配信音源のマスタリングでずっとお世話になっている方。マスタリングの現場に立ち合わせてもらうのは今回がはじめて。

全10曲、根っこにある音楽がばらばらで、AOR、ソウル、ネオアコ、ブリットポップ、マージービート、ギターポップ、メロディックパンク、などなど、あちこちにとっ散らかっている。これらを全部日本の六畳間にねじ伏せたい。
MIXの時点までは、「その曲の最良の形」のみにフォーカスして音を作ってきたので、これを1枚のアルバムに並べたときに、頭からケツまで一本通して聴けること、曲ごとに毛色は違うのに全体としての統一感があること、聴覚上の音量感・音圧感の調和がとれていること、がマスタリングの肝要という気持ちで臨んだ。

ファーストアルバムの時も、別のエンジニアさんのもとマスタリングに立ち会わせてもらっていたのだが、その時は「へぇ~」「ほぉ~」「はぁ~」と言っているうち、見事に仕上がってしまった。まるで魔法。

今回も、まず風間さんが2MIXの音源を立ち上げて、「ちょっと触っていきますね~」と物理ノブを触ったり、DAW上でなにかを触っているのだが、2~3回ほど再生し終えると、だいたい耳馴染みが良くなっている。
具体的に何をやっているのか尋ねたら、EQ、コンプ、サチュレーション等々を触っているということなのだが、そのさじ加減が絶妙で繊細で、自分にはどこがどう変化したのか、はっきりとはわからない。
もちろん、MIXまでの段階で自分たちが捉えた音像が尊重されるべきで、馬鹿耳にも分かるような音質の変化がここで起こってはいけないのが大前提ではあるのだが。
それでも、2曲目へ進んだ際に、1曲目~2曲目をザッピング(部分部分で再生)したら、はっきりと「整った」ことが明確に分かる。単に2MIXを曲順に並べたときには凸凹していた質感が、曲調の差異は担保されたまま、いい意味でフラットになっている。やはり風間さんも魔法使いなのか。

こちら側で注意していたことといえば、MIX時点での狙いが、マスタリングによって打ち消されたり、逆に過剰になってしまわないか、という点だった。
たとえば2曲目では、MIX時点での狙いが過剰に引き出されたため緩和してもらったり、5曲目では、本来は意図しなかったボトムが目立ってきてしまったので、微調整してもらった。
そんなこんなで、「からくりがわからないまま、結果が腑に落ちる」という不思議な気持ちで、マスタリング初日は終了。

モーニング

10月10日、月曜日・祝日。
マスタリング二日目、最終日。
11時。まずはコーヒーだ、ということで、雑に「純喫茶」で検索して見つけた、南武線武蔵新城駅前の「男爵」へ車を走らせる。
喫煙可、店内も年季の入った飴色の素敵な喫茶店。
なぎら健壱さんの言うところの「すがれた」佇まいの店をいつも探しているが、旅先で朝のコーヒーが上々に決まると幸先が良い、気がする。


武蔵新城 男爵

マスタリング再開

12時。折り返し地点の6曲目からマスタリング再開。
昨日に続き、ゴッドハンド風間さんによって、各曲が順調に整っていく。自分たちは感銘を受けながらも、前述した不足や過剰が発生していないかに注目する。
いくつかの微調整を経て、全曲のマスタリングが終了し、あとは曲間を決めるだけ。
曲間、コンマ数秒単位での「間」自体もさることながら、曲終わりのフェードタイム、フェードカーブの形状など、意外と神経を使う。
台風クラブは食い気味がええよな~、とか言いながらも、やり過ぎになっていないか、ここでも「自分は正気か」と問いかけながら、客観的意見を聞きながら、一曲ずつ決めていく。
10曲目のフェードアウトが決まって、イナくんが思い出したポイントを微調整して、曲間も完ぺきに決まった。

マスタリング終了!

18時。帰りに車で聴きたいからと、わざわざCDRに焼いてもらって、記念に写真を録って、ついにマスタリング終了。おつかれさまでした、ありがとうございました。
各々での最終チェックのため数日の猶予が設けられているが、自分はこの週末の直感を信じたい。
いよいよ、セカンドアルバムはレコード工場へ送られる。


風間さん(左端)、ありがとうございました。